倒産する出版社に就職する方法・第73回
2019年12月9日夕刻、私は阿佐ヶ谷の路上を小走りに駅へと急いでいた。背筋から全身へと広がる悪寒を感じながら、一刻も早く暖かな駅に駆け込もうとしたのだ。しかし、一歩一歩刻むたびに、悪寒も少しずつひどさを増しているような気がしてならない。
「やっぱり来たか……。やっぱり来たか……」
私は南阿佐ヶ谷駅の地下鉄へと続く階段を、そうつぶやきながら駆け足でくだった。
すでに終わりが始まっていた。
いや、始まりが終わろうとしていたのか。
倒産する出版社に就職する方法・第73回
2019年12月9日夕刻、私は阿佐ヶ谷の路上を小走りに駅へと急いでいた。背筋から全身へと広がる悪寒を感じながら、一刻も早く暖かな駅に駆け込もうとしたのだ。しかし、一歩一歩刻むたびに、悪寒も少しずつひどさを増しているような気がしてならない。
「やっぱり来たか……。やっぱり来たか……」
私は南阿佐ヶ谷駅の地下鉄へと続く階段を、そうつぶやきながら駆け足でくだった。
すでに終わりが始まっていた。
いや、始まりが終わろうとしていたのか。
倒産する出版社に就職する方法・第72回
「1章ぜんぶ書き直す」って、この期に及んで何を言っちゃってるんでしょうか。
自動販売機に百円玉入れれば缶ジュースが出てくるように、印刷所に原稿渡せばゲラが出てくるわけではないのです。
ゲラにする際には、元の原稿に「誤脱字の修正」「用字用語の統一」「数字表記の統一」「事実関係の確認」などを行なったうえで、「文字の大きさ」「書体」などの指定書を作成し、印刷所に組版指定を行なうのです。それをもとに印刷所が組版を行ない「ゲラ」を出します。
倒産する出版社に就職する方法・第71回
さあ、カバーに使う写真は決まりました。
デザイナーに電話し、使用する写真とおおまかなデザインのイメージを伝えます。写真を確認したデザイナーからの「はぁ…」というため息は聞かなかったことにし、これでカバーはラフがあがってくるのを待つのみとなりました。
さて、続く課題は本文です。こちらもまだまだ課題は多いのです。
9月初旬のこの段階で、私と著者・藤原ひろのぶ氏の手元には『ぼくらの地球の治し方』の再校ゲラがあります。
ゲラとは、印刷物と同じレイアウトで組まれた試し刷りのことで、1回目のゲラを「初校ゲラ」、2回目のゲラを「再校ゲラ」、3回目を「三校」、4回目を「四校」(以下略)……と呼びます。
ゲラごとに著者と編集者、場合によっては校正・校閲者などがチェックをして、修正を入れ、印刷所に戻して、新しいゲラを出し、再びチェック……という手順を経ます。