形勢逆転

倒産する出版社に就職する方法・第40回

 

「じゃあ、出ていけ、なんてことにならないんでしょうね?」と妻。

「心配ないさ。借地借家法では借り手の権利が手厚く保護されているから、突然出ていけなんてことにはならないよ」と、ハウツー本に記されているようなわかりやすいQ&Aを行なう私。

家賃をめぐる裁判所での調停では、「調停委員」という人があいだに入って交渉が行なわれることになります。家賃問題の調停委員は不動産鑑定士が就くことが多く、なんとか調停をまとめようと、貸し主(大家)側へ譲歩を迫ることが多いのです。

 

――というような編集作業中に仕入れた知識を披露する私。

「ふーん」

冷然と私を見やる妻。

調停、あるいは編集者としての責務

倒産する出版社に就職する方法・第39回

 

 

どうだ、調停だぞ。四の五の言うんなら出るとこ出てやるから覚悟しろ。ぐうの音も出んだろ、まいったか。

決め台詞をズバリ言い放ち、快感に打ち震える私。

 

「はい。そうですか。で、契約更新はされるんでしょうか?」

 

……エッ!

つ、通じてない……ッ!

裁判所に調停を申し立てます

倒産する出版社に就職する方法・第38回

 

 

「数日前に、家賃値下げのお願いというのを郵送したんですけど、検討していただけましたか?」

 

音も沙汰もないので、仕方なくこちらから不動産屋に電話します。

しばらく保留音ののち電話に出た担当者いわく、

「そういう手紙はいただいていないんですが……」

 

……。

そうなの?