キューブが落ちてくる

倒産する出版社に就職する方法・第74回

 

風邪もインフルエンザも寝れば治る。私はそう信じている。

なぜなら、私はこれまでそうして風邪やインフルエンザを乗り越えてきた。

どうしようもなくつらければ、ひたすら寝ればいい。眠れば解決する。だから、私は眠った。

翌10日、布団の中で震えながら目を覚ます。歯と歯がぶつかりガチガチと音を立てる。異常な寒さだ。戦慄悪寒というらしい。

インフルエンザウイルスから逃げ切るスピード

倒産する出版社に就職する方法・第73回

 

2019年12月9日夕刻、私は阿佐ヶ谷の路上を小走りに駅へと急いでいた。背筋から全身へと広がる悪寒を感じながら、一刻も早く暖かな駅に駆け込もうとしたのだ。しかし、一歩一歩刻むたびに、悪寒も少しずつひどさを増しているような気がしてならない。

「やっぱり来たか……。やっぱり来たか……」

私は南阿佐ヶ谷駅の地下鉄へと続く階段を、そうつぶやきながら駆け足でくだった。

すでに終わりが始まっていた。

いや、始まりが終わろうとしていたのか。

メビウスの輪

倒産する出版社に就職する方法・第72回

 

「1章ぜんぶ書き直す」って、この期に及んで何を言っちゃってるんでしょうか。

自動販売機に百円玉入れれば缶ジュースが出てくるように、印刷所に原稿渡せばゲラが出てくるわけではないのです。

ゲラにする際には、元の原稿に「誤脱字の修正」「用字用語の統一」「数字表記の統一」「事実関係の確認」などを行なったうえで、「文字の大きさ」「書体」などの指定書を作成し、印刷所に組版指定を行なうのです。それをもとに印刷所が組版を行ない「ゲラ」を出します。