第一ラウンド、リングに沈む不動産屋

倒産する出版社に就職する方法・第41回

 

 

さらに数日後が経過。

家賃値下げ要求を突き付けた私に対して、大家と交渉すると言っていた不動産屋からあらためて電話がかかってきました。

 

「たいへん申し訳ありませんが、大家さんと弊社とは家賃保証という契約になっており、家賃自体を値下げすることは難しいのです。ですから、今回は更新料を半額ということでいかがでしょうか?」

「なるほど……」

 

どうですか、これ。

――家賃は下げないけれども更新料を半額にする。

形勢逆転

倒産する出版社に就職する方法・第40回

 

「じゃあ、出ていけ、なんてことにならないんでしょうね?」と妻。

「心配ないさ。借地借家法では借り手の権利が手厚く保護されているから、突然出ていけなんてことにはならないよ」と、ハウツー本に記されているようなわかりやすいQ&Aを行なう私。

家賃をめぐる裁判所での調停では、「調停委員」という人があいだに入って交渉が行なわれることになります。家賃問題の調停委員は不動産鑑定士が就くことが多く、なんとか調停をまとめようと、貸し主(大家)側へ譲歩を迫ることが多いのです。

 

――というような編集作業中に仕入れた知識を披露する私。

「ふーん」

冷然と私を見やる妻。

調停、あるいは編集者としての責務

倒産する出版社に就職する方法・第39回

 

 

どうだ、調停だぞ。四の五の言うんなら出るとこ出てやるから覚悟しろ。ぐうの音も出んだろ、まいったか。

決め台詞をズバリ言い放ち、快感に打ち震える私。

 

「はい。そうですか。で、契約更新はされるんでしょうか?」

 

……エッ!

つ、通じてない……ッ!